January "99" MSN Review
フレッド・クックフィールドのレポートより。
マイク・ルルは20年以上に渡ってギターやベースのリペアーやカスタマイジングを行っており、彼の熟練されたリペアーテクニシャンとしての仕事は大変に評価されている。またその点においては彼のクライアントが事あるごとに語ってきている。パール・ジャム、ニール・バーナ、ハート、それにバッド・フィンガーらが、実に多くの場所でその仕事ぶりの事を話しているからだ。
私は彼の仕事を賞賛している。特に彼自身による非凡なフレットワークには時々感心させられてしまうのである。
セイモア・ダンカンよるカスタムのPUとバルトリーニの組み合わせは全くクリーンであり、クラッシックのフェンダージャズベースのような本物で融通が利くサウンドであった。あれは唯一の例外だ。・・・それはLo-Bの音だ。これは本当に素晴らしい! 35Inchスケールのネックはテンションが十分で生き生きとした弦振動を生じさせるのには最適な長さである。またネック形状の特徴として高音弦側がかなり薄く、低音弦側は厚みがあるようになっており、この事によって多弦ベースプレイヤー、特に手の小さなプレイヤーが容易にプレイする事が出来るようになっている。余計なストリングステンションが掛かるので十分に強い力が要求される多弦ベースではあるが、しかし多くのプレイヤーにとってこれはとても弾き易い物になっている。 これらの事から私はこのMike Lull Modern 5は良質なLo-Bサウンドを考慮した結果、著しく改良を重ねてきたものと思えるのである。
スタジオ内でこの楽器からは容易にジェームス・ジェマーソンのスピリッツを呼び込む事が出来た。私はアレサ・フランクリンの“Respect”とサム&デイブの“Soul Man”を試してみて、この2つのカバーチューンをプレイする為に私が思う必要なサウンドが、全て備わっている事に気がついた。
1晩2回のライブパフォーマンスでも、この5弦ベースを私はずっと気持ち良くプレイする事ができたのだから。 アクションは低く、しかもどの弦からも全くバズが出なくて正確かつ、しっかりした弦振動が得られる。バルトリーニ・プリアンプはそれらのキャラクターを変える事なく拡張してさらに音色のバリエーションを増やしている。いろいろなプレイスタイルを要求されるシビアな状況においてもこのベースは必ず答えてくれるだろう。
楽器において後から手に負えない構造・・・ネックジョイントやフレットの下に隙間があるのは醜いものだが、この楽器には全くこれが存在しない。電池交換は容易に出来、またコントロール部を含めて完璧にシールディングされている。美しいサンバーストフィニッシュは深い光沢の下に描かれている。
これは完全にシンプルであり、そういう良いルックスの楽器は同じく良い音がするものである!
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