マイク・ルルの特徴


 彼等の工房には現在4人が働いています。1人はセールスマネージャーで、残りの2人がリペアーマンです。マイク・ルル・カスタムギターは本人自身の手だけによって週産2〜4本のペースで作られています。


●BODY(ライトウェイトスワンプアッシュ)
 ビンテージに習って、導管の比較的大きめな、軽量な物を特に選定しています。振動に大きな影響が出るからです。重量もTONEに大きく影響がでるファクターですが、更に私達は材料の剛性と木取りについても大きく注意を払っています。産地はノースアメリカの物を厳選し使用しています。

●アルダー
 こちらも軽量な物を中心に選定しています。パッシブエレクトロニクスには大変相性が良い材です。ミッドレンジが豊かな材だと思います。近年なかなか良い材料に出会いにくくなってきていますが、長い経験から良い材料だけを厳選し加工します。 


●NECK(イースタンハードロックメイプル)
 軽量なボディ材とは相反し、支点であるネック材には硬度の高い物を使用する事により、弦振動をボディに充分に伝えられ、結果ボディ材から十分なミッドレンジが引き出せます。
また過酷なワールドツアーにも、充分たえうる楽器にする為に比較的高価なこの材をあえて使用しています。理由はビンテージフェンダーでこの材を使っている時期の物は、今だに現役の使用に耐えられるものが多く存在するからです。ルルはビンテージFenderのファンなのです。それは歴史を作ってきたTONEが存在するからです。皆様に届けられた楽器が一生使われる為には長い年月を生き延びる様に良い材料 で注意深く製作しなければなりません。ベースのネックには弦の張力によって信じがたい負荷が絶えず掛かっているのですから。
また更にトラスロッドを締め上げて調整している為に更に剛性が増している事から、長年使い込まれて、ロッドを締めてきている育ち上がった硬いビンテージのネックを制作時にあらかじめシュミレートしてあります。またロッドに適度なストレスを持たす事により、振動時のネックのスイートスポットを探し出し調整しています。プレイしてみてください。大きくバイブレーションしている事が確認できる事でしょう。フレッテッド時のエボニー指板は非常にTHINな音になりますのでお勧めできません。オーダーの際には、経験豊かなお近くの販売員に相談する事をお勧めしていますが、通常良くある材の組み合わせであれば間違いは無いと言えます。
 従来の構造の長期使用での欠点だった、ベースネックのハイはね対策として、ハイポジションの指板に緩やかにBODY側にテーパーをかける事によって長期使用にも耐え、低い弦高のプレイスタイルでもバズが出ないようになっています。幅広いスタイルのプレイヤーにもオールラウンドに使用できるように考えられて作っています。色々なジャンルに渡ってユーザーがいる事でもお分かり頂けると思いますが、彼等のアクションのセッティングは実にさまざまなのですから。そしてマイク・ルルの名前を一躍有名にしたフレットエッジ部分の丁寧な処理(ストレス無い様に落とし過ぎず、丁寧に丸めてある)の技術によってプレイヤビリティーが向上しています。フィーリング ベターです。ヘッド振動を妨げない為にペグは大変重量の軽いヒップショット社のウルトラライトチューナーです。ヘッドの質量は弦振動に関与する部分で、しいてはTONEに大きな影響があります。


●エレクトロニクス
 完全に手作業にてシールディングされていて、中を見ると驚く程に配線が丁寧に引き回されています。これは彼の全米で有名な“マイク・ルルの仕事は地味な所に細心の注意が払われている”と語り継がれている所以です。このような所は本当に我々日本人好みの丁寧な仕事をする人だと思います。はっきり言って『良い仕事していますね』と言うのが彼のリペアー等でも最大の特徴かもしれません。『完成された美しい仕事から良い音が』というのが彼のポリシーです。Pre AMPはオプションで18V仕様が選べます。倍の電圧で起動させる為にノイズレスでダイナミクスレンジが9V時より圧倒的に向上します。あえて手間のかかる手法を見えないところに施しているのは、全て良い音の為でもあります。イージーアクセスなバッテリーBOXを採用していますので、ステージ直前でもバッテリー交換が可能になっています。ジャック位置は派手なステージアクションでも抜けない位置を試行錯誤して採用しました。


●ピックアップ
 リンディー・フレーリンやセイモア・ダンカンにスペシャルワウンドをしてもらっているものです。ルルが理想と考える60年代のFenderサウンドが全くのノイズレスで楽しめます。モータウンの伝統的なレコーディング方法である、ライン録音でもノイズレスでミュージカリーなサウンドが取りだせます。


●ブリッジ
 弦間が調整可能な特別なデザインになっています。駒の材質はスラップ等の立ち上がりに有利なアルミとサスティーンがありDEEPな音色のブラスを使い分けています。 これは他ブランドでも例を見ない特徴かもしれません。通常出荷時にはアルミを装着していますので、ブラスをお試しになりたければお近くの販売店にストックをお尋ねください。
尚、多くのビンテージ、カレントフェンダーベースと同様の穴の径になっていま すので、改造無しでそれらに取り付け可能です。その場合はお手数でもリペアーマンに相談する事をお勧めいたします。


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