ジョン・カラザース氏
ギター製作のポイントについて熱く語る


 私達のギターが何故生音が物凄く大きく、アコースティカルなのかは理由があるんですよ。なぜならばそれは木材の選び方にあるからです。それはネック材になるメイプルとBODY材になるメイプルでは同じ名前の材だとしても、全く異なった基準でセレクトしているんです。
 分かりやすく説明すると、ネック材はあらかじめネック材用に適したものを硬さや木目の向き等の基準で選定しているので、それは例え木目が綺麗でもBODY材にはなれないのです。逆もまたしかりです。それから木取りの段階で“このBODYにはこのネックを組み合わせて造る”という事を出来上がりの音を想定して既にシュミレートしておくのです。

 この木取りの時に重要な事は、臨界の包容点に達したエアーエリアを木材の中に十分に捕まえておき、ふさがない様にセットアップする事によって、弦振動時にこれらがミクロのサウンドホールの役目になります。(空気が隙間なく限界までいっぱい詰まっている為にレスポンス良く振動する。)

 また、塗装を大変に薄く仕上げる事にも特徴があり、私達の技術は現在のニトロセルロースラッカーの技術よりもはるかに薄く仕上げられるので、木の振動を全くさまたげません。

 私達は正確なチューニングの為にフレットやその他の位置関係にも大変に多くの注意を払って製作していきます。他のどのタイプよりも良いサウンドが得られて同時に信頼できるパーツを厳選しています。

 注意深くピックアップのマグネットフィールドを微調整する事もまた、サウンドに大変重要な事柄ですね。プレイヤビリティーを向上させながら同時にサウンドも良い方向に持って行く。そういう両方向においての適切なセットアップをします。

 ギター作りというのは科学と芸術の融合なのです。

 全ての楽器は、製作者の彼あるいは彼女が自分自身をこの世にほんの少しだけ分け与えて生まれてきた物なんです。楽器とルシアーというのは全てにおいてそういう関係にあるものなのですよ。


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