クラシカルな感触とビンテージの豊潤な味わい。それはギターの一方の理想とも呼べるでしょう。そして今、実戦用のカラザース・ギターの登場です。その細部にわたって投入された細心のエネルギーは、見せかけだけのショー モデルではない事を実感させてくれるでしょう。幾多のスタジオ、そしてライブパフォーマンスで百戦錬磨のカラザース・ギターはタフで項丈、そして最後までその安定性を失う事はありまん。それはどんな環境、そして過酷なツアーにおいても、コンスタントなコンディションで生き残れるようにデザインされているからです。サウンドと機能の高度なバランスを現実のものとした、カラザース・ギターは違いの分かるギタリストによっていとも簡単にその真価を発揮してくれる事でしょう。
〜カラザース・ギターのトーン〜
ジョン・カラザースとはどんな人物?
しかしその間、話題の主人公は常にミュージシャン、そしてメーカーであり、ジョンの名前が表に出て来る事はありませんでした。それはジョンのポリシーによって、一切のモニターやエンドースメントの契約を排除してきた事によりますが、その一貫した姿勢はこれからも変わる事はないでしょう。しかし長年にわたる彼らの愛顧はジョンに対しての信頼の証しであり、また他の何物にも代えがたい究極の賛辞とも言えるのです。
ジョンは当初、彼のホームタウンである、カナダのアルパーク州エドモントでギターを教えるかたわら、色々なバンドでプレイしていました。しかし周囲にリペアをしてくれる人がいなかったため、自分自身でやるようになり、そしてまた他のプレイヤーのためにも調整を行うようになりました。まもなく彼は地元で腕の良いリペアマンとして知られるようになり、そして楽器店で働くようになったです。
そして1960年代の終わりに、ジョン・カラザースはロックミュージックの本拠地であるLAへと旅立ったのです。ジョンはカリフォルニアに到着するやいなや、LAの楽器店で再びリペアマンとして働き始めました。そこでジョンは世界的にも有名ミュージシャン、そして超売れっ子ギターリストの何人かと知り合うチャンスに恵まれたのです。そしてジョンの評判はクチコミによってまたたく間に広まって行きました。なぜならば、彼らの受け取った作品はそれまでの常識を覆す程に素晴らしい出来栄えだったからに他なりません。 では、ジョンの仕事で何が違っていたかというと、それまでのリペアがノミなどの原始的な手工具だけで行われていたのに対し、彼は自ら開発した高度に洗練された機機工具を用い、伝統的な技と先進のテクニックを見事に融合させる事に成功したからです。ジョンはこの方法によってゆるぎのない地位を確立しましたが、今やこれはス タンダードな手法として広く普及するに至っています。そして1977年、ジョンはいよいよその真髄発揮へと向かって行きました。 最初の会社と言える“カラザース・ギター・リペア”は、ウエスト・ロサンジェルスにある小さなガレージで設立されました。ジョンの評判は、そのハイクオリティーな仕上がりと革新約な内容との両方によって、ますます広まり続けて行きました。そしてその後に続く時期において、ジョンはギター・プレイヤー・マガジンのために、現在でも語り継がれている彼のリペアコラムを10年の長きにわたって書き続けました。 間もなくその名声はミュージシャンばかりではなく、有名なギターメーカーからも一躍注目されるに至りました。そしてその卓越した専門技術と知識を要請される事となったのです。その後、彼はフェンダー、ヤマハ、CF・マーチン、そしてアイバニーズ等の製品の開発とデザイン、製造工程におけるトラブル解決のコンサルタントとして、その力を遺憾なく発揮する事となりました。ジョンはフェンダーにおいて“ヴィンテージ・リィッシュー”シリーズを初め、ロベン・フォード・モデル、そして現在のアコースティック・ギターなどの多くを手掛け、大いに貢献しました。 しかし最も注目すべきは、ジョンの設計と開発による“ネック・デュブリケート・マシーン”がフェンダーの秘密兵器として活躍している事があげられるでしょう。このマシーンはコンピューター・システムによって、「元となるネックのシェイブを寸分違わずにそっくりそのままコピーできる」という画期的な機械ですが、これと同じものは現在フェンダーのカスタムショップ、そしてカラザース・ギターにしかありません。 そして、ジョンはアイバニーズにおいても、その“アーティスト”シリーズ、“ジョー・パス”モデル、“リー・リトナー”モデル、等、数多くのギターの開発と製作に貢献しました。
以上の“ジョン・カラザース”に関する経歴は、今の、そしてこれからの“カラザース・ギター”の歴史においてはあまり意味の無いものかもしれません。しかし、カラザース・ギターの優秀性はあくまでも現在の“エレクトリック・スタンドアップ・ベース”、“ファイブ・ストリングス・ベース”、そして“アコースティック・エレクトリック・ギター”、また同様に究極のクオリティーを持つと自負する“エレクトリック・ギター”といった先進の商品群によって今証明されるのです。
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