◆システムの由来
バジー・フェイトンです。これからバジー・フェイトン・チューニング・システムについて説明します。バジー・フェイトン・チューニング・システムは1992年、私がギターのチューニングやイントネーションに対して非常にフラストレーションを感じ、独自のチューニングを考えたのが始まりです。 スタジオミュージシャンとしてツアーに参加していた時の事ですが、演奏前のサウンドチェックではいつもギターのイントネーションにとても手こずりました。その傍ら、ピアノはチューナーさえ使わず、88鍵音もあるというのにいつもチューニングがあっているのです。ギターは6弦だけですが、音を合わせられませんでした。
通常のイントネーションでギターを合わせるとコードが合わないのは皆さんも経験済みでしょう。
Aコード。綺麗に聞こえます。
そこでDコードが綺麗に聞こえるように、チューナーでB弦をフラットに合わせます。すると他のコードが合わなくなり、この作業を何度も繰り返すのです。
では、次にバジー・フェイトン・チューニング・システムで合わせたギターで試してみましょう。 Dコード、Aコード、Dコード、Aコード。バズフェイトン搭載のギターは2つのコードが両方とも綺麗に聞こえます。
BFTSシステム搭載のギターで試してみましょう。5度、4度、3度、マイナーの3度。もう一度。5度、4度、3度、マイナーの3度。全音程が合っていますね?これらの音程は合って聞こえますが、通例に従って言うとチューニングは合っていないのです。これはベルクマイスターのピアノ調律と同じでピッチをわざとずらしているのです。ところで、このベルクマイスター調律法は西側諸国で広く受け入れられています。
先ほどGとB弦の和音を弾きましたが、これはギター上一番厄介な所です。これについてはお客さまの不満をよく聴きますし、私もGとBの間で音を合わせるのに苦労しました。
でももし3度、6度、又は10度がシャープした場合にはとても不快に聞こえるのです。むしろ、3度がフラットしたほうが奇麗に聞こえるのです。ベルクマイスターは完全音程の4度、5度、オクターブの音をわずかにずらす事で、3度、6度、10度の音を綺麗に聞こえるようにしたのです。 BFTSの原理も同じです。BFTS搭載のギターのB弦は正確に0か、ややフラットでイントネーションされています。逆に、G弦の開放弦はフラットでチューニングされ、イントネーションはシャープさせます。バロックマイスターの調律も同じです。 5度の音をフラットさせる事で違うコードを弾いた時、その音が3度になった時でも綺麗に聞こえるようにしたのです。これは先ほど説明したように3度の音の方が重要で、この音がフラットになる方が綺麗に聞こえるからです。 では、BFTSの定理に従い5度を狭めてみます。例えばB弦をそのままチューニングして、イントネーションは0かややフラットに合わせたとします。そしてG弦のチューニングをマイナス2に合わせ、プラス1でイントネーションします。これで音程が狭められます。G弦は弾く時に多少シャープさせますが、B弦のイントネーションは0か多少フラットに合わせます。この設定によりG弦はシャープし、B弦はフラットします。つまりこの2つの音程は狭まったのです。 3度の響きが良くなっているのがわかりますか? 5度も同じように奇麗に聞こえます。
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